実務講座「第3回 年末調整について」
第3回 年末調整について
今回は年末調整について説明しましょう。
年末調整とは、給与の支払いを受ける人について、毎月の給料や賞与などの支払いの際に源泉徴収(天引き)をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足額を会社が精算する手続きのことをいいます。 要は、給与所得者の確定申告を会社が代わってするといえば分かりやすいかと思います。
通常、会社から給料を支払われる際、所得税を差し引かれていると思います。この税額は「源泉徴収税額表」によって定められた額です。しかし、その人の源泉徴収した税額(天引きされた税金)の1年間の合計額は、その人の給与総額について納めなければならない年税額と一致しないのが通常です。
その理由は、源泉徴収税額表は、年間を通して毎月の給与の額に変動がないものとして作られているためです。
源泉徴収分の合計額と年税額が一致しない主な理由は、下記のようなことです。
- ・実際には年の中途で給与の額に変動があること。
- ・年の中途で扶養親族等に異動がある(年の途中でお子さんが産まれた場合など)。
- ・配偶者特別控除や生命保険料、損害保険料の控除などがあるため。
年末調整は、原則として「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(緑色の用紙) を記入し会社に提出している人について行いますが、 例外的に年末調整の対象とならない人もいます。
年末調整の対象となる人
- ・1年を通じて勤務している人(1ヶ所で1年間勤務)
- ・年の中途で就職し、年末まで勤務している人など
(中途入社の場合、前職の「源泉徴収表」を忘れずに) - ・年の中途で死亡退職した人、年の中途で非居住者になった人など